Body Mind Spirit

病気を考えることは人間を考えることです。人間の存在は、見る角度によって全く違ったものになるでしょう。
たとえば、遺伝子の乗り物と見る人がいます。生命の歴史を、ウイルスとの戦いとみる人もあります。生命現象を単なる化学反応と見る人もいるでしょう。心の働きも、神経伝達物質の振る舞いにすぎないという人もいます。
逆に、個を遠く離れて、宇宙の中の生命の意味を語る宗教家もいます。現世での個人史にとどまらず過去生、死後の世界から人生の意味を語る人もいます。
普通はその中間で、自覚できる体と心のできごとからものを考えますね。それを考える際にも様々な学問的立場、経験的、直感的立場があります。

「群盲、象をなでる!」

どれが正しいか、科学的かなどという議論は全く意味がないように思います。ものの見方の違いにすぎないから。
心身医学的に人間を考えるということは、そういう様々の要素を念頭に置きながら、その中でも自分ができることで一番役に立ちそうなことを探していくことだと思います。
「今、ここ」に中心を置いて、「今、ここ」の状態をよりよくすることが目標です。

体、心、そしてそれを越えるもの、個人を越えた人を取り巻く力を魂とよぶのなら、体−心−魂(Body-Mind-Spirit)の全体性を何よりも大切にしながら、人間に関わっていくのが心身医学マインドであると思います。
心身医学とは何か特定のテクニックを指すものではなく、そういった精神性、哲学のことを指すのではないでしょうか。

と、私は考えていますが、あくまでも私の心身医学観ですので、そこんとこよろしくお願いします。